年金:国民年金月¥17,920、厚生年金、10年で受給、脱退一時金
国民年金(第1-3号被保険者)と厚生年金の違い、2026年度の保険料月¥17,920、最低10年の納付期間、免除制度、外国人が帰国時に請求できる脱退一時金は最大5年分を整理します。
日本の年金は「国民皆年金」で、20-60歳のすべての居住者(外国人を含む)が強制加入です。会社員と公務員は厚生年金、自営業や学生や無職は国民年金に加入します。最低10年(120か月)の納付で65歳から受給開始できます。外国人が帰国する場合は「脱退一時金」制度で最大5年分の保険料を還付できます。この記事では国民年金と厚生年金、保険料、免除制度、脱退一時金の4つを順に整理します。
1. 国民年金と厚生年金
日本の年金制度は2階建てです。
| 階 | 制度 | 対象 |
|---|---|---|
| 1階(基礎年金) | 国民年金 | 20-60歳の全居住者、自営業、学生、無職 |
| 2階 | 厚生年金 | 会社員、公務員、週30時間以上の非正規 |
被保険者は3区分に分かれます。
| 区分 | 該当者 | 保険料 |
|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 自営業、学生、無職、フリーランス | 国民年金月¥17,920(2026年度) |
| 第2号被保険者 | 会社員、公務員 | 厚生年金(給与の18.3%、労使折半で各9.15%) |
| 第3号被保険者 | 第2号の配偶者(年収¥1,300,000以下) | 個人負担なし |
第3号被保険者は会社員か公務員の配偶者で、年収¥1,300,000以下なら個人で保険料を払わず、国民年金は自動加入になります。この境界線は「130万の壁」と呼ばれ、超えると第1号か第2号に切り替えて自分で納付する必要があります。
会社員の厚生年金は給与の18.3%を労使折半(自己負担9.15%)です。月給¥300,000なら毎月¥27,450が給与から天引きされ、退職時に会社が精算します。
出典:日本年金機構:国民年金保険料、日本年金機構:厚生年金保険。
2. 保険料の月額と納付方法
国民年金保険料は 2026 年度(令和 8 年度)で月 ¥17,920 です。一括前納で割引があり、1 年分前納で約 ¥4,000 の割引、2 年分前納で約 ¥16,000 の割引です。
納付方法は4種類あります。1つは口座振替(銀行やゆうちょの口座から自動引落)が最も便利、2つはクレジットカード(年金事務所で手続きが必要、ポイントが貯まる)、3つはコンビニや銀行の窓口で納付書を使う(忘れやすい)、4つはペイジーでATMかネットバンクで納付する方法です。
厚生年金保険料は会社員の給与から自動天引きで自分で振り込む必要はなく、月給とボーナスに応じて変動します(標準報酬月額)。
外国人は住民登録時に市役所の国保課で「国民年金加入届」を同時に提出するのが標準的な流れです。忘れると後から数か月分を一括追徴され、未納は将来の受給にも影響します。
出典:日本年金機構:国民年金保険料の納付、日本年金機構:前納制度。
3. 免除と猶予の制度
納付が困難な場合の救済制度があります。所得別に4段階の減免があり、全額免除(本人と世帯主と配偶者の前年所得が一定額未満)、4分の3免除、半額免除、4分の1免除に分かれます。学生には「学生納付特例」があり、20歳以上の大学生、大学院生、専門学校生で本人所得¥1,330,000以下が対象です。50歳以下で所得が低い人には「若年者納付猶予」が用意されています。
申請は市役所の国保課か年金事務所で、所得証明、在留カード、基礎年金番号通知書(旧年金手帳も可)を持参します。毎年7月以降に申請して年1回更新します。
免除期間も納付実績にカウントされ(受給資格期間として扱われる)、将来の年金額は減少します(全額免除なら2分の1、半額免除なら8分の5反映、後から追納で補てん可)。
「未納」(手続きせず納付しない)と「免除」(手続きを経て納付免除)は別物で、未納は受給資格に算入されず、免除は算入されるため、必ず手続きを取ります。
出典:日本年金機構:保険料免除制度、日本年金機構:学生納付特例。
4. 外国人の帰国時:脱退一時金
外国人が出国・帰国する際に、納付済みの年金保険料の一部を「脱退一時金」として還付申請できます。
申請条件は6つあります。日本国籍を持たない、国民年金または厚生年金の納付期間が6か月以上(合算可)、日本国内に住所がない(既に帰国済み)、老齢年金10年の受給資格期間を満たさない、過去に脱退一時金を受給していない、障害年金などの受給権がない、です。
申請方法は、出国前に日本年金機構の年金事務所で「脱退一時金請求書」を入手し、出国後2年以内に記入してパスポートの写し、銀行口座情報、住民票除票などの必要書類とともに郵送します。海外口座か日本国内口座への振込が選べます。
国民年金の支払額(2026年度概算)は次の通りです。
| 納付月数 | 支払額 |
|---|---|
| 6-11か月 | ¥52,530 |
| 12-23か月 | ¥105,060 |
| 24-35か月 | ¥157,590 |
| 36-47か月 | ¥210,120 |
| 48-59か月 | ¥262,650 |
| 60か月以上(最大5年) | ¥315,180(上限) |
最大5年分(60か月)まで還付され、それ以上納付しても還付額は変わりません。日本に長期滞在を予定するなら、逆に10年の受給資格を狙うほうが有利です。
厚生年金の脱退一時金は標準報酬月額と支給率(最大5年分)で算出され、給与水準により¥100,000から¥1,500,000以上まで幅があります。
申請期限は出国後2年以内で、期限切れで申請権が消失します。
日本と社会保障協定がある国(米国、ドイツ、韓国、カナダ、フランス、イギリス、中国、台湾、タイ、フィリピン、ベトナムなど)の国民は両国の年金期間が合算でき、脱退一時金より合算のほうが有利な場合があります。
5. 長期滞在と受給資格
日本に長期滞在を予定する外国人は、10年の受給資格を満たすことを検討する価値があります。受給資格期間は納付期間と免除期間の合計で計算されます。
月 ¥17,920 を 10 年間納付すると合計約 ¥2,150,000 の負担になりますが、65 歳からの年金は満額で年 ¥847,300(2026 年度、40 年納付の場合、10 年なら按分で年約 ¥212,000)です。
第2号被保険者として厚生年金に加入した場合、受給額は標準報酬月額と加入月数で計算され、平均年収¥4,000,000で10年なら年金は年額約¥230,000-260,000の上乗せがあります。
社会保障協定国の出身者は、本国年金との合算で受給資格を満たせる場合があり、年金事務所に相談すると個別計算してもらえます。
出典:日本年金機構:受給資格期間。
6. よくある落とし穴
来日後に年金加入届を提出しないと、法律上は強制加入のため後から数か月分を一括追徴されます。市役所で転入届を出すと同時に国民年金加入届を提出するのが安全です。
未納のまま放置するのも危険です。納付期間が10年に届かなければ将来の年金受給はゼロ、脱退一時金の基礎額も減ります。納付が困難な時期は必ず免除手続きを取ります。
免除期間を「払わなくていい」と捉えるのも不正確です。免除期間も将来の年金額は減少します(全額免除は2分の1のみ反映)。経済的に余裕ができたら追納(10年以内、利息付き)するのが理想です。
出国後2年を過ぎてから脱退一時金を申請しても、申請権は既に失効しており還付されません。出国前または出国直後に準備します。
5年以上働いた人が脱退一時金で帰国するのも要検討です。最大5年分しか還付されず、6年目以降の納付分は戻りません。長期滞在予定なら10年の受給資格を満たすほうが有利です。
第3号被保険者(配偶者)が年収¥1,300,000を超えると、「130万の壁」を超えて第1号か第2号に切り替えて自分で納付する必要があります。多くの人は雇用主に年収を¥1,290,000以下に調整してもらいます。
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