年金と住民税:給与の20%を占める2大支出
厚生年金9.15%と住民税10%で給与から約19-20%が天引、来日初年度非課税の衝撃、退職時の住民税一括徴収、年金免除制度の活用法を整理します。
日本で会社員として働く場合、2大固定支出は「年金(厚生年金または国民年金)」と「住民税」で、合計で毎月給与の約19-20%が天引きされます。所得税5-23%を加えると、手取りは額面の70-80%です。新入社員や来日初年度には驚きの大きさで、長期生活では家計の重要項目です。この記事では全体像、来日2年目の影響、退職時の処理、免除制度の4つを順に整理します。詳細はpension-guideとresident-tax-guideを参照してください。
1. 2大支出の全体像
年収¥4,000,000の会社員(独身、東京都内)の毎月給与天引きの例を整理します。
| 項目 | 月額 | 年額 | 給与比 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | ¥14,800 | ¥177,600 | 4.4% |
| 厚生年金 | ¥30,500 | ¥366,000 | 9.15% |
| 雇用保険 | ¥2,000 | ¥24,000 | 0.6% |
| 所得税 | ¥6,000-8,000 | ¥70,000-100,000 | 約2% |
| 住民税 | ¥17,000 | ¥204,000 | 約6%(前年所得ベース) |
| 控除合計 | 約¥70,300 | 約¥842,000 | 約21% |
| 手取り(額面月¥333,000) | 約¥263,000 | 約¥3,158,000 | 79% |
年収¥6,000,000の場合は控除合計約23-25%、手取り約¥4,500,000です。
ボーナス(年2回、夏と冬)は通常4-6か月分の給与に相当し、ボーナスからも厚生年金、健康保険、所得税、住民税が天引きされます(住民税は給与天引きに含まれるため、ボーナスからは天引きされないことがある)。
出典:厚生労働省:標準報酬月額、国税庁:給与所得者の税金、総務省:住民税。
2. 来日初年度の非課税と2年目の課税
外国人と新卒の手取りには典型的なパターンがあります。
初年度(1-12月)は厚生年金、健康保険、所得税が天引(給与の約14%)、住民税はゼロ(前年所得なしのため非課税)、手取りは額面の約86%です。
2年目(翌年6月以降)は厚生年金、健康保険、所得税に加えて住民税(前年所得が反映、約6%増)、手取りは額面の約80%に下がります。年収¥4,000,000なら毎月手取りが約¥17,000減ります。
この「2年目の手取り減少」を予測しないと、家賃や生活費が逼迫します。新入社員は年初から住民税分の貯蓄¥200,000-300,000を予算化します。
フリーランスと自営業の場合、年4回(6月、8月、10月、1月)の納付書を自分で納付します。営業所得が大きい年の翌年6月以降は負担が急増するため、税理士に相談するのが安全です。
3. 退職と転職時の住民税の特殊処理
退職する月によって住民税の処理が変わります(詳細はresident-tax-guide)。6-12月退職なら残月分は「普通徴収」に切替で自分で4期に分けて納付、1-5月退職なら「一括徴収」で最終給与から残月分が一括天引きされます。
例として、年収¥4,000,000で月住民税¥17,000の人が4月に退職すると、5月分(¥17,000)が最終給与から一括天引きされ、手取りはほぼゼロかマイナスになります。
年金の退職手続きとして、会社員は退職翌日に厚生年金が失効し、14日以内に市役所で国民年金加入か配偶者の扶養に入る必要があります。失業期間中は国民年金月 ¥17,920(2026 年度)を自分で納付、所得が低いなら免除申請ができます。
出典:総務省:個人住民税の特別徴収・普通徴収、日本年金機構:会社を退職したとき。
4. 年金免除と住民税減免、ふるさと納税
国民年金免除は収入が低いときの救済制度で、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4段階に分かれます。学生は「学生納付特例」(本人所得¥1,330,000以下)、50歳以下は「若年者納付猶予」があります。申請は市役所の国保課か年金事務所で、毎年更新が必要です。将来追納(10年以内、利息付き)で年金額を補てんできます。
住民税は所得が低い場合に自動的に非課税または減額されます。年収¥1,000,000以下で完全非課税、年収¥1,000,001-1,030,000で所得割なし均等割¥5,000のみ、自治体により非課税ラインに微小な差があります。
ふるさと納税は、住民税の一部を他の自治体に寄付して返礼品を受け取る制度です。自己負担¥2,000で同額の税控除を受けられ、年収¥4,000,000の独身なら上限約¥40,000-50,000/年です。さとふる、楽天ふるさと納税、ふるなびなどのプラットフォームが便利です。
5. 長期家計設計
これらを組み合わせた長期家計設計の目安を整理します。
初年度は手取りが額面の86%(住民税ゼロ)と高めで、住民税分の貯蓄を計画的に積み立てます。2年目以降は手取りが額面の80%に下がり、これが基準値になります。
年収レベル別の年間社会保険・税の天引き総額の目安は、年収¥3,000,000で約¥600,000、年収¥4,000,000で約¥840,000、年収¥5,000,000で約¥1,100,000、年収¥6,000,000で約¥1,400,000、年収¥8,000,000で約¥2,000,000です。
長期滞在を予定する外国人は10年の年金受給資格を目指し、毎年の納税証明書と年金記録を保管しておくと、永住申請や在留更新で活用できます。
出典:国税庁:所得税の税率。
6. よくある落とし穴
来日2年目の住民税ショックは典型的な失敗です。初年度の高い手取りが続くと思って家賃と生活費を組むと、6月以降の月¥10,000-30,000の天引きで予算が逼迫します。初年度から住民税分の¥200,000-300,000を別途貯蓄します。
退職1-5月の一括徴収を考慮せず退職すると、最終給与がほぼゼロになります。1-2月から予算を準備します。
年金未納を放置するのも危険です。納付期間が10年に届かなければ将来の年金がゼロ、外国人帰国時の脱退一時金の基礎額も減ります。納付が困難な時期は必ず免除手続きを取ります。
ふるさと納税を「無料」と思って上限を超えると、超過分は単純な寄付になり税控除がありません。年収から上限を計算します(楽天ふるさと納税にシミュレーターあり)。
転職時に特別徴収継続を申請しないと、自動的に普通徴収になり納付書4回分を自分で納める必要があります。新会社の人事に「特別徴収切替申請書」を依頼します。
外国人が帰国時に脱退一時金を申請しないのも惜しいです。出国後2年で申請権が消滅し、最大60か月(5年分)の国民年金または厚生年金が戻りません。
出典:日本年金機構:脱退一時金、総務省:ふるさと納税ポータルサイト。
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